最初にVisual Basic 6.0の実行画面を見てみましょう。実行画面はこちらです。
Visual Basicの実行画面をよく見ると、いくつかの領域があることに気付くと思います。
Visual Basicインストール直後の設定だと、クライアント領域の左端にツールボックスがあります。ここで部品(コントロールと言います)を選んで、フォームモジュールやユーザーコントロールモジュールなどに配置することで、画面のデザインを行っていきます。
クライアント領域の右端には、3つのウィンドウが並んでいるはずです。プロジェクトエクスプローラ、プロパティウィンドウ、フォームレイアウトウィンドウです。プロジェクトエクスプローラは、プロジェクト(あとで説明します)を管理するためのウィンドウです。簡単なアプリケーションを除いて、一般にアプリケーションは一つのモジュールだけで作られることはまれで、普通は複数のモジュールを合わせて実行ファイルに変換されます。その際の、モジュールの一覧を表示するのがプロジェクトエクスプローラです。プロパティウィンドウは、フォームそのものやコントロールなどの性質を表示するウィンドウです。プロパティはコントロールごとに異なりますが、例えば、「名前」、「位置」、「大きさ」、「色」などが主な例です。フォームレイアウトウィンドウは、実行時にフォームが画面のどこに表示されるかを指定するときに使います。
それでは、Visual Basicを使ってアプリケーションを開発するときの手順にそって、実際にごく簡単なアプリケーションを作成してみましょう。作成するアプリケーションは、ボタンを押すと「Hello, Visual Basic Programming !!」というメッセージボックスを表示するだけのものです(ほとんど実用的な価値はありません)。
まずVisual Basicを起動します。最初に新しいプロジェクトダイアログボックスが表示されます。簡単なアプリケーションを作成するということで、「標準EXE」を選択します。これで、上で紹介した実行画面が表示されるはずです。
Visual Basicの開発環境でいう標準EXEとは、いわゆるアプリケーション(拡張子EXEを持つ実行ファイル)の開発のことです。アプリケーションを作成するときは、標準EXEを選択してください。
最初に行うことは、プロジェクト名の変更です。デフォルトのままでコンパイルすると、Project1.exeというアプリケーションになってしまいます。つまり、<プロジェクト名>.exeになってしまうわけです。これでは格好悪いので、Hello.exeというアプリケーションになるように、プロジェクト名をHelloに変更します。プロジェクト名を変更するには、プロジェクトエクスプローラで、「Project1(Project1)」の部分をクリックします。こうすると、プロパティウィンドウにプロジェクトのプロパティが表示されますから、「(オブジェクト名)」を「Hello」に変更してください。
次に、フォームのデザインをします。ツールボックスで、CommandButtonをクリックします。次にForm1のウィンドウで、適当な位置(コマンドボタンを配置したい位置)でドラッグします。こんな感じでコマンドボタンが配置されるはずです。コマンドボタンが配置されたら、プロパティを変更しましょう。Captionプロパティの値を「Click Me !!」にします。
画面のデザインに続いて、コードを記述します。Visual Basicの場合は、基本的にフォーム上に配置したコントロール(コマンドボタンなど)をユーザーが操作したときにどのような処理をするかを記述していきます。今回のアプリケーションでは、コマンドボタンをクリックしたときの処理を記述します。Form1のウィンドウで、先ほど配置したコマンドボタンをダブルクリックしてください。コードウィンドウが開いて、「Sub Command1_Click()」の骨組みが作成されているのがわかるはずです。これは、Command1をクリックしたときに実行されるコードであることを示しています。このように、フォーム上でコントロールをダブルクリックすると、そのコントロールの最も重要な操作に対応するコードの骨組みが表示されます。
Command1_Clickのコードの中身を記述します。今回は、メッセージボックスを開くだけのコードを記述します。「MsgBox "Hello, Visual Basic Programming !!", vbOKOnly, "Hello"」と入力してください。コードの詳しい説明はしませんが、MsgBoxというのがメッセージボックスを表示するためのコードです。
今回は、これだけで全ての作業が終わりです。[実行]-[開始]を選択すると、作成したアプリケーションが起動されます。コマンドボタンをクリックするとメッセージボックスが表示されるのを、確認してください。
以上のように、Visual Basicでの開発は4つのステップで進めていきます。
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この手順は大きなアプリケーションを作成するときでもまったく同じです(それぞれのステップの規模が大きくなるだけです)。同じような手順で電卓アプリケーションを作っていきます。
その前に、Visual Basicの基本的な文法を覚えることにします。Visual Basicの文法とVBScriptの文法とは、非常によく似ています。「Activex Control Padを使ったプログラミング入門」の文法解説(第3回、第4回、第6回)も参考にしてください。
次回はVisual Basicの文法です。
瀬尾佳隆 (webmaster@seosoft.net) |