第4回 - Visual Basicの基本的な文法(その1)

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今回の目標
Visual Basicの基本的な文法を覚えます。VBScriptの文法と対比しながら、説明していきます。
長くなるので、2回にわけて説明します。

プログラミング言語には、いくつかの重要な概念があります。

Visual Basicでプログラミングをする場合も、これらの概念を知っておく必要があります。


変数

変数とは、データ(任意の情報)を記憶しておく領域のことです。ものの名前、数量、日付などあらゆる情報は、それぞれ独立した変数に記憶しておきます。変数を宣言するには、

<適用範囲> Dim <変数名> As <型>

のように記述します。VBScriptには型という概念がありませんでしたが、Visual Basicでは変数の使用目的に応じて型を指定します。

適用範囲とは、変数が公開される範囲のことを指します。適用範囲としては、Public、Private、Friendのいずれかを取ります。Publicの場合は、変数が宣言されたモジュールの外からもアクセスできるものです。また外部のコンポーネントからもアクセスできます。
Privateは、変数が宣言されたモジュール内だけで有効なものです。他のモジュールに同じ名前の変数があっても、互いに干渉することはありません。
Friendは、ActiveXプログラミングで必要になった概念です。プロジェクト内のほかのモジュールには見せてもいいが、外部のコンポーネントからは見えないようにしたい場合に、Friendを使います。
適用範囲については、最初は少し難しいかもしれません。その場合は、「何となく」読み進めてください。

型とは、その変数が整数なのか小数なのか文字列なのか、日付なのか・・・を表します。As以降を省略するとVariant型が指定されたことになります。
Variant型は、状況に応じていろいろな種類の値でも記憶できる便利な型です。そのため、ついつい使いたくなるかもしれませんが、他の型に比べて、メモリを余分に必要とする上、処理速度が遅くなります。できるだけ目的に応じた型を使用し、Variant型は本当に必要な場合だけ使うようにしてください。以下に、変数の型の種類を並べます。

型の記述 意味
Boolean ブール型(True/False)
Byte バイト型
Currency 通貨型
Date 日付型
Double 倍精度浮動小数点型
Integer 整数型
Long 長整数型
Object オブジェクト型
Single 単精度浮動小数点型
String 文字列型
Variant バリアント型


変数名には、任意も文字列を指定できます(ただし、VBの予約語などは駄目)が、型を明示する接頭辞を付けることが推奨されています。これらの接頭辞には絶対的な決まりはありませんが、自分なりに一定のルールで付けるようにするといいでしょう。以下に、接頭辞の例を挙げます。

接頭辞

変数の型
bln ブール型
byt バイト型
cur 通貨型
dtm 日付型
dbl 倍精度浮動小数点型
int 整数型
lng 長整数型
obj オブジェクト型
sng 単精度浮動小数点型
str 文字列型
vnt バリアント型

定数

変数と同様に、データを記憶しておく領域です。それでは、変数とはどこが違うのかというと、定数はアプリケーションの動作を通して変わらない値であり、読みこみ専用であるということです。例えば、円の面積を計算する時、半径は円ごとに異なるので変数に入れ、円周率は不変なので定数とします。

定数を宣言するには、

<適用範囲> Const <変数名> As <型> = <値>

のように記述します。変数の宣言に似ていますが、DimではなくてConstとなっています。また、最後に値を指定します。定数に値を設定できるのはここだけで、その後は一切値の変更は出来ません。

VBScriptでは定数を宣言するための記述方法はないのですが、Visual Basicにはありますから、不変の値がある場合は積極的に利用してください。


演算子

演算子とは、加減乗除や代入など変数などに対する操作を示すものです。演算子については、VBScriptとほとんど同じです。 違いは、Visual Basicには、Like演算子があることです。Like演算子については、Visual Basicのオンラインドキュメントを参考にしてください。

  1. 数値に対する演算子
    + 加算
    - 減算
    * 乗算
    / 除算
    ^ 指数演算
  2. 文字列に対する演算子
    + 文字列の連結
    & 文字列の連結
  3. 代入/比較演算子
    = 代入
    = 等しい
    <> 等しくない
    > 大きい
    < 小さい
    >= 以上
    <= 以下
  4. 論理演算子
    And 論理積
    Or 論理和
  5. Like演算子
    Like 文字列の比較

数値に対する演算子は特に難しくないと思います。

文字列に対する演算では、+ も & もどちらも連結に使います。文字列の連結とは、

が、

を表すことです。

代入と比較との両方で、= がありますが、

のように使います(If、Thenは制御構文、詳細は第5回)。

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