プログラミングを勉強する時、ついプログラミング言語の文法だけに目が行きがちです。もちろん文法の理解がなければプログラムを作ることはできませんが、文法を知っているだけではプログラムを作れません。書籍の解説は理解できても(理解できた気になっても)、いざ自分で何か作ろうと思うと作れないということがあります。 これは、文法を覚えることだけに意識が集中してしまったために、それ以外の重要な点をきちんと勉強しなかったからです。
広い意味でのプログラミングとは、コーディング(文法にしたがってアプリケーションの動作を記述すること)だけではなく、以下の作業を順番に進めることをいいます(Microsoft Pressの「Visual J++セルフマスターブック」の解説を参考にしました)。
デバッグの状態によっては、分析・設計・コーディングに戻って間違いがある個所を部分的にやり直します。
「問題」という言葉がピンと来なければ、「作成するアプリケーション」と置き換えてもいいでしょう。
上の手順を今回の開発に当てはめて考えてみます。
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開発を始める前に、このように大まかな機能を決めてしまうことが大事です。これをしないと何からどう手をつけていいかが決まらず、その場その場で作業を進めることになります。まずテーマを決めることで、この後の作業(調べなければならないことや動作の設計)がはっきりと決まり、開発がラクになります。
「何ができる」だけではなく「何ができない」もできるだけはっきりさせるといいでしょう。今回は「四則演算のみ(つまり、平方根や2乗などはなし)」、「表示の桁数は気にしない」、「メモリ機能はなし」が、できないことに当たります。これをしないと、作っているうちにどんどんやりたいことが増えていって、いつまで経っても完成しなくなってしまうことがあります。また、何を作ろうとしているのか自分でもよく分からなくなってしまうこともあります。まず完成させることを第一に進めましょう。機能拡張はバージョンアップの際に考えればいいことです。最初から何でもできる必要はありません。
今回の仕様検討をもとに、さらに詳しく電卓の動作について「分析」する作業が必要になります。次回は分析のステップを説明しますが、その前に自分なりに少し考えてみるといいかもしれません。
今回は、プログラミングとはコーディングだけではないということ、アプリケーション完成までは大きく分けていくつかのステップを経なければならないということを覚えてください。
繰り返しになりますが、プログラミングをするとつい文法的なことだけにとらわれがちですが、大事なのはいくつかのステップを踏まなければならないということです。逆に言うと、コーディングの問題・文法的なつまずきは、プログラミングのほんの一部でしかありません。コーディングで苦労する場合、それ以前のステップを十分にこなしていないからということがよくあります。また、設計までのステップがしっかり出来ていればコーディングの際の問題は確実に解決しやすくなります。
プログラミング全体の流れを把握して、コーディング前のステップに充分時間をかけるようにしてください。
瀬尾佳隆 (webmaster@seosoft.net) |