前回説明したとおり、アプリケーションを開発するにはいくつかのステップを踏む必要があります。コーディング(プログラムを記述すること)はその中の一つにすぎず、それ以前に重要な作業があります。
最初のステップである「問題の公式化」では、作成する電卓の機能を決定しました。
今回は、実際に電卓を操作してみて、どのように動作するのか把握します。
手元にある電卓を使うと、このような動作をしました。どんな電卓でも大体同じはずです。なおキー操作で、Cはクリアキー、Eはクリアエントリーキーのことです。
キー操作 | 計算結果 | ポイント | |
---|---|---|---|
a | 3 + 2 = | 5 | 最も簡単な操作、単純な足し算です。もちろん桁数は自由です。 |
b | 1 2 + 4 5 = | 57 | |
c | 1 2 3 + 4 5 = | 168 | |
d | 3 * - 2 = | 1 | 引き算なのに押し間違えて最初に「*」を押してしまった場合です。「*」は無視されて、「3-2=」と同じ動作をします。 |
e | 3 + 5 5 E 2 5 = | 28 | 数値を間違えた場合です。CEキーを押すと「5 5」(「+」以降押されたキー)が無視されます。「3+25=」と同じ動作をします。 |
f-1 | 2 * 3 + | 6 | 「2*3+5」を計算する時、途中で「2*3」の結果が表示されます。 |
f-2 | (上の操作に続けて) 5 = |
11 | |
g-1 | 1 + 2 = | 3 | 「=」の後に「+」を押すと、前の計算結果を一つ目の数値として扱います。 |
g-2 | (上の操作に続けて) + 5 = |
8 | |
h-1 | 1 + 2 = | 3 | 「+ =」を繰り返し押すと、前の結果 + 前の結果という計算をしていきます。 |
h-2 | (上の操作に続けて) + = |
6 | |
h-3 | (上の操作に続けて) + = |
12 | |
h-4 | (上の操作に続けて) + = |
24 | |
i-1 | 1 + 2 = | 3 | 「=」を繰り返し押すと、前の計算結果に+2ずつしていきます。 |
i-2 | (上の操作に続けて) = |
5 | |
i-3 | (上の操作に続けて) = |
7 | |
i-4 | (上の操作に続けて) = |
9 |
以上で大体の動作がわかりました。整理するとこんな感じになります。この後を読む前に、自分で一度考えてみるのもいいかもしれません。
以上から、電卓の内部では以下の内容を覚えておく必要があります。
次回は電卓を設計するために最低限必要な、VBScriptの文法について解説します(VBScriptの文法解説は2回に分けます。次回は文法解説の前半です)。それに続いて第4回では電卓の設計をします。
少し長くなりました。慣れないと難しいかもしれませんが、じっくり覚えてください。
瀬尾佳隆 (webmaster@seosoft.net) |